こんにちは。ADHDのすみれです。
ありがたいことに、ブログを読んだ方から質問をいただき、アパレル業務のなかでADHDが苦手なレジへの対策について書きました。
対策は大きくわけて2つです。
・焦る機会を減らす
・フローをきっちり決めて、つねに二重確認
前回の記事で、お客様をじっくり接客するスタイルで、レジ打ちの少ないアパレル店であれば、ADHDでも適応しやすいということを書きました。
ADHDでも5年働けたアパレルの仕事内容【特性との相性を徹底解説!】
まず、レジを連続でたくさん打つような職場を選ばないのが適応の大前提となります。
とはいえ、回数が少なくとも苦手には変わらないレジ業務。アパレルで働く場合、避けては通れません。
私は不注意優勢型のADHDですが、レジミス対策をすることで、ミスの頻度は健常者と同じくらいでした。
ADHDがレジミスを減らした方法:焦る機会を減らす
ADHDの私は、下記のような理由からレジ業務が非常に苦手でした。
【レジ業務が苦手な理由】
①作業スピードが遅いため、お客様を待たせてはいけないと焦ってしまう
②ワーキングメモリーが少なく、お客様に話しかけられると作業の正確性が落ちる(会話と作業が並行できない)
③怒られることが多かったので、人前で何かをするのが緊張してしまう
このような心理が、下記のようなレジ業務でのミスにつながっていました。
・レジの打ち間違い
・クレカのサインのもらい忘れ
・クレカやポイントカードの返し忘れ
ただでさえ、ミスをしやすいADHD。ADHDはテンパったら最後、やること・なすこと失敗してしまうので、事前にテンパる機会を減らすことが大切です。
私が新人の頃、尊敬する副店長からいただいたアドバイス3つをご紹介します。
①お客様を待たせてはいけないと焦る心理への対策
焦ってしまう気持ちって、「焦ってはいけない」と頭ではわかっていても、どうにもできなかったりしますよね。
そのことを副店長に相談したところ、下記のアドバイスをいただき、変に焦らなくなりました。
副店長のアドバイス
「お客様は少しくらい待たせてしまっても、怒らないから焦らなくていいんだよ。もし、すみれさんがお客様の立場だとして、お会計が1分くらい長く時間がかかっても怒らないでしょう?」
「それに、ミスした方が、結果としてお客様を待たせることになる。ミスするくらいなら、少しくらい時間がかかっても、ミスしないよう焦らないでやった方がいい」
この発想は、私にとって目からウロコでした。
お客様を待たせるという迷惑をかけたくない結果、もっと迷惑をかけたら意味がないですもんね。
おかげで、レジで不必要に焦ってしまうマインドの部分はクリアできました。
②レジ作業中に話しかけられてしまったときの対策
ADHDはマルチタスクが苦手なので、会話をしながら正確に作業するのが難しいです。
私はまさにそのタイプ。
レジで服を畳んだり、レジ操作をしている最中にお客様が話しかけてくださると、作業がおぼつかなくなり困っていました。
副店長のアドバイスは、
「レジ業務中に会話を振られても、必要最低限の受け答えだけすると決める。無理に会話を広げようとせず、会計が終わった後に心を込めてゆっくり会話をすれば良い」とのこと。
それまでは、レジ業務中でも話しかけられたらしっかり会話をしなければいけないと思い込んでいて、作業が進められないことがありました。
ただ、自分の能力的に無理なものは無理だったんですよね……。
アドバイスを受けて、ささっとレジを終わらせてから心を込めて会話ができるようになり、レジへの苦手意識が減りました。
③お客様の前で作業をする緊張への対策
私は昔から人前で何かをするのが苦手でした。
人より色んなことがうまくできなかったり、「仕事が遅い」と注意されたりした経験からだと思います。
それはお客様が相手でも変わらず、お客様を目の前にして洋服を畳んだり、レジを操作するのが苦手でした。
副店長のアドバイスは、
「洋服を包んだりレジを操作している間、お客様に店内を見ていてもらったら?」とのこと。
ようするにレジからお客様を遠ざけることで、
・緊張緩和&お客様に雑談をふられて作業を進められなくなることがない
・お客様も待たされている感が減る
➡私にもお客様にもメリットがある、というわけです。
具体的な流れ
①接客をして、お客様が買う商品が決まる
②「お会計の準備ができたらお呼びしますので、店内をご覧になっていてください」とお客様へ伝えて自分だけレジへ。
③洋服を包み、レジにタグを読み込み、
あとはお客様から現金やクレカをもらえばいい状態まで完了しておく。
④お客様にレジに来ていただきお会計。
洋服が1、2点であればここまでしなくとも大丈夫だったんですが、
・購入点数が多いとき
・お客様がおしゃべりなタイプのとき
・接客が長時間で、頭がヘロヘロのとき
など、自分がレジでテンパるのが目に見えているときにはこの方法をとっていました。
ADHDの悲しいサガなんですが、目の前にお客様がいらっしゃらない方が作業に集中できるので、スピードも出るし、ミスも減るという……。
なんだか涙ぐましいですが、こうした小さな工夫のお陰で焦ってミスをしてしまうことはほとんどなくなりました。
ADHDがレジミスを減らした方法:フローをきっちり決めて、つねに2重確認
ここからは、会計時のレジ操作や金銭の受け渡しミスへの対策です。
④レジの打ち間違い対策
私は、レジの打ち間違いに気づけるよう、先に電卓で合計金額を計算し、レジの合計金額と照らし合わせていました。
電卓での確認は、やるように決められていたわけではないんですが、健常者のなかでも優秀な人たちがやっていたので取り入れました。
電卓との照合で、誤った金額でレジを確定させてしまうのを防げます。
具体的には、
①合計金額を電卓で計算する
②レジ操作をする
③電卓の合計金額とレジの合計金額が一致しているかを確認
一致していない場合は、レジの打ち間違いであることが多いです。
たとえば、こういうことに事前に気が付けます。
・10%の割引の操作をし忘れていた
・同じタグを2度読み込んでいた
「こんなミスするのかい」って感じですが、健常者の方でもたまにしますし、接客が連続して頭がバタついてるときは凡ミスが出やすいです。
自宅に帰ったお客様から、「レシートの金額が間違ってる」みたいな連絡が来たら大目玉ですよね。
そうならないためにも、電卓を使ったレジの金額のチェックはおススメです。
電卓を使うのが苦手な場合は、お客様がいなくて暇な時間に操作練習をしておくと慣れますよ。
⑤現金やクレカの金額誤りへの対策
私が特に気を付けていたのは、キャット(クレジットカードを通す機械)に金額を入力するとき。
レジの合計金額をキャットに手入力するのですが、このとき金額の入力間違いを起こしやすいです。これも健常者の方でも起こします。
たとえば、「24,380円」を「23,480円」と入力してしまったりとか……。
それを防ぐために、私はレジの金額と、キャットに入力した金額を2回指さし確認していました。
1回だけの確認だと見落としが不安なので2回。
金額が大きかろうが小さかろうが、どんなときも2回。
現金の会計でも同様に、
レジのお釣りの金額と、自分がとったお釣り銭が一致しているかを2度確認してからお客様に渡していました。
ちなみに、キャットの打ち間違いや現金の渡し間違いはその日の夜のレジ締めで発覚します。
お客様から多くもらい過ぎていた場合は、連絡を取って返金させていただくことになります。
ADHDでも対策すればレジミスは減らせます!
ADHDのレジミス対策5つをまとめます。
*焦る機会を減らす*
- ミスした方がお客様を待たせるので、焦らずやった方が良いと心得る
- レジで話しかけられても会話は最小限に。レジ後にじっくり会話する
- レジに時間がかかるときはお客様に店内を見ていてもらう
*レジではつねに二重確認*
- レジの金額と電卓で計算した金額を照らし合わせる
- レジの金額とキャットの金額や釣り銭の金額が一致しているか2度確認
ADHDは、人に迷惑をかけたくなかったり、遅いと注意されないように焦ってしまったりすることが多いと思います。
しかし、働いてみて思ったのは、迷惑をかけたくないために焦って、結果ミスをして迷惑をかけるって本末転倒なんだなと。
お会計時の確認で少し時間はかかってしまうけれど、それでもミスを防げた方がいいです。
また、困ることがあったら仕事のできる先輩に相談したり、その方のやり方をまねたりするのも手です。
自分が悩んでいたことが簡単に解決することもありますから、一人で抱え込まない方がいいですよ。
客数や上司の性格によって上記の対策がとれないかもしれませんが、どなたかのお役に立てれば幸甚です。