【体験談】ADHDと強迫性障害を併発している私の症状と対策

こんにちは。ADHDのすみれです。

発達障害を持つ方が併発しやすい二次障害のひとつに、強迫性障害があります。

私もADHDの診断に加え、実際に強迫性障害の診断も受けています。

今回は、私自身の体験を通して、強迫性障害の症状とその対策についてお話ししたいと思います。

強迫性障害とは?

強迫性障害は、自分の意思に反して不合理な考え(強迫観念)が何度も頭に浮かび、その不安を打ち消すために特定の行動(強迫行為)を繰り返さずにはいられなくなる精神疾患です。

例えば、「鍵を閉め忘れたかもしれない」という不安(強迫観念)が頭から離れず、何度も鍵を確認に戻ってしまう(強迫行為)といった症状が見られます。

これらの行為は、本人にとって非常に苦痛であり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

ADHDの私が強迫性障害を併発したきっかけ

私は不向きな職場でミスをしないようにと何度も確認を繰り返すうちに、強迫性障害を発症していました。

大学卒業後、入社した金融機関での仕事内容は、絶対にミスが許されず、一度ミスをすると金銭的な損失が大きい責任の重いものでした。

デスクワークの傍ら電話照会への対応もせねばならず、自分にとって非常にしんどい職場環境でした。

今思えば相性の悪い仕事でしたが、この頃はまだ自分がADHDだと知らなかったために選んでしまったのです。

ミスをしないようにと何度も何度も確認するうちに、気づけば強迫性障害を発症。

また、どんなに気を付けていてもミスをしてしまうことはあり、ミスしたときの恐怖が、さらに強迫性障害の症状を悪化させていきました。

その後、サービス業に転職しましたが、強迫性障害の症状は改善せず、主婦になった現在もその症状に悩まされ続けています。

ADHDの私に現れる強迫性障害の症状

私の場合は、以下のような症状が日常生活で頻繁に現れます。

確認行為

  • 家電製品のスイッチオフや窓の鍵、玄関の鍵を閉めたか何度も確認する
  • 水道の蛇口がきちんと閉まっているか目で見るだけでは不安で、手をかざして水が出ていないか確認する
  • 外出先で席を立つ際やATMを利用した際に、忘れ物がないか何度も確認する

不完全恐怖(完璧主義・見直し)

  • 事務作業や家事を進める際、ミスがないか何度も確認しながらでなければ先に進められない
  • 予定が入ると、場所や日時・持ち物などに誤りがないか不安で、事前に何度も見返してしまう

これらの症状は私にとってストレスであり、日常生活の多くの場面で時間がかかる要因にもなっています。

ADHDと強迫性障害を併発した良い面・悪い面

ADHDの私にとって強迫性障害は、良い面・悪い面の両方があります。

強迫性障害の影響で、ものを失くしたり、うっかりミスで人に迷惑を掛けてしまったりすることは大幅に減りました。

ただし、それは確認行為の煩わしさと引き換えなのです。

何より、仕事をするにも家事をするにも何度も確認行為をするため、時間がかかる原因に。

また、周りからすれば「この人、ADHDの割にミスしないな」と見えるようで、ADHDの症状が実態よりも軽く思われてしまう弊害もあります。

実際は、不注意の特性を強迫性障害の確認行為により補っているだけなので、元々ミスが少ない人と同じではなく、気を張ってるぶん疲れます。

強迫性障害への対策3選

ここからは、私が実践している強迫性障害への対策3選をご紹介します。

①ガスコンロではなく電気コンロを使う

強迫性障害の方にとって、火の周りの確認は骨の折れる確認行為のひとつではないでしょうか。

ミスした場合のダメージ(火事による人命や財産への影響)が大きいほど、確認行為も比例して重く、不安を拭いにくくなるからです。

私はガスコンロの確認が本当に苦手で、何度も確認してもなかなか安心できませんでした。

そのため、今の物件に引っ越してきた際、ガス会社さんにお願いしてキッチンのガス栓を開栓しないでもらいました。

ガスコンロは一切使わずに電気コンロを使うことで、火の周りの確認行為がガスのときより気軽になりました。

②家族に二次チェックを頼む

夫と一緒に外出する際は、戸締りや家電のスイッチオフの二次チェックをお願いしています。

まず私がひとりで一通り確認して、そのあと夫と共にもう一回一通り確認します。

例えば、私が電気コンロを指差しながら「電源切れてる?」と夫に尋ねて、夫が「OK!」と言ってくれて私が安心するという流れです。

自分で書いててなんですが、めちゃくちゃシュールですね......。

③不安な場所は写真に収めてから外出

夫がおらず外出時の二次チェックをお願いできない場合は、電気コンロのスイッチオフの確認後すぐにスマートフォンのカメラで撮影するようにしています。

冬場はヒーターのことも撮影していました(熱を出すもの全般が特に不安)。

一度家を出てから不安になった場合でも、写真を見返せばスイッチオフしたことを再確認できるので、引き返す手間や不安感を大幅に減らせます。

ADHDと強迫性障害を併発している私の症状と対策:余談

ADHDは私にとって百害あって一利あるかないかな存在なんですが、強迫性障害にはけっこう助けられてるんですよね。

そもそも強迫性障害になってしまったのもADHDの不注意の特性の影響なので。

強迫性障害が完治したらしたで不注意により家族に危害が及ばないか心配なので、強迫性障害については積極的な治療は行わずに野放しにしています。

強迫観念が強くてしんどいとき向けに、神経症を緩和する漢方を処方してもらっているくらいですね。

しかも大人になってから気づいたんですが、70代の父も家電や様々なものに対して確認行為をしていて、これはもう遺伝なんだなと思ってあきらめの境地です(そして父もおそらくADHD)。

ADHDと強迫性障害と共に生きていこうと思った今日この頃でした。

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