こんにちは。ADHDのすみれです。
今回は、アパレル販売員の仕事内容や、ADHDの特性との相性が良い面・悪い面について解説します。
店選びさえ間違わなければ、アパレルはADHDでも働けます。
発達障害を抱えていると、仕事に適応できず苦労することが多いですよね。
実際に私も、新卒で選んだデスクワークに適応できず、心を病ん退職。
そんな私でも、アパレルは仕事内容で病まずに5年間働くことができた、一番働きやすかった仕事なのでご紹介します。
アパレルの仕事内容
まず、アパレル販売員の仕事がどんなものかご紹介します。
アパレルは早番と遅番に出勤時刻が分かれており、私が働いていたブランドの場合、
早番9:30~18:30勤務
遅番12:30~21:30勤務でした。
- 早番は出勤したら店のオープン準備。店内の掃除、日報に数値目標を書き入れる、レジのお釣りが所定の金額があるか数えてからレジにセットするなど。
- 店がオープン。接客・レジ打ちをする。
- 遅番が出勤してきたら、上司が朝礼をする。その日の予算の確認や伝達事項の共有。接客へのアドバイスを受けることもある。
- 営業時間中に商品が入荷して来るので検品。ただし、入客があれば接客を優先する。
- 検品が終わった商品を店頭に並べる。在庫は収納スペースにしまう。
- 閉店後に、遅番が日報に売上や予算の進捗率などを計算して記入。レジにあるお金を数えて、売上分は所定の場所に入金して帰宅。
上司の指示のもと、基本的に上記の仕事を手分けしながら毎日繰り返します。
アパレルは、店頭に一定の人員を確保しなければならないので、誰かが勝手に作業を始めることはできず、上司の指示で動くのです。
朝礼や新商品を店に並べる、夜に日報を計算して記入するのは店長や副店長が行うことが多いです。
平社員は、検品や在庫の収納作業をすることが多いです。
大抵、倉庫は十分なスペースがないため、洋服を小さく畳んだりと工夫しないと収納できず、収納作業は地味に時間がかかったりします。
ADHDの特性とアパレルの相性【メリット編】
- 業務の種類が少ないため、覚えるのが比較的楽。
- 毎日の業務が反復的なので、大きな変化がなくて安心。一方、毎日色んなお客様と接するのでほどよく飽きない。
- 売るという業務においてはADHDでも不利にならない。
- 上司からの指示で仕事を行うので、優先順位付けに困らない。
- その日のうちに終わる仕事が多いので、タスク管理が楽。
- 平社員のときはデスクワークが少ない。
- お客様にADHDのキャラの良さが気に入られて、顧客化に繋がることも。
- 動的待機といって、店の中を歩き回りながらお客様を待つため、じっとしているのが苦手な方にはちょうどいい。
アパレルは平社員の場合、優先順位付け・タスク管理・デスクワークといったADHDの苦手業務が少ないんです。
そして、アパレルは売上がとれてナンボの仕事です。
たとえば、一般事務のようなマルチタスクの仕事は健常者よりどうしても不利になりますが、売上をとる能力では、ADHDだからといって不利になることはありません。
私は売上は大したことなかったのですが、ADHDを自称する店長の部下になったことがあり、その人は売上がかなり良かったんですよね。
(仕事の段取りができない・イライラしやすい・レジが苦手など、当事者の私から見ても明らかにADHDな人だった)
仕事ができて人格者だった健常者の副店長も、売上ではその人に及ばなかった。
アパレルは、販売員としての力量さえあれば、ADHDが売上の一点突破で健常者よりも突き抜けられる可能性がある仕事です。
突き抜けられなくとも、仕事が反復的なので、いずれ適応できる可能性が高い仕事でもあります。
1年もすれば、かなり仕事に慣れます。
私は派遣社員として働いていた会社に正社員登用されました。派遣で探す場合、アパレル派遣なびが求人数が多くておすすめです。
ADHDの特性とアパレルの相性【デメリット編】
- 女性とうまくやっていく必要がある。
- 副店長や店長になると、マルチタスクとなり一気に難易度が上がってしまう(報告書作成のデスクワークや接客・指示出し・部下の指導など)。
- レジ業務でミスをしやすい。
ADHDの場合、「平社員のうちはなんとかなるけれど、マネジメント業務は絶対無理!」と考える人も多いかと思います。
もし、マネジメントをしたくない場合は、昇進を断ってプレイヤー(平社員)で居続けることもできます。
実際、販売に集中したいからや、役職について増える負担と昇給が割に合わないなどの理由から昇進を断る人もいました。
万一役職に就くこととなり、デスクワークやマネジメントをしなければならなくなっても、周囲に手伝ってもらうこともできます。
前出の自称ADHD店長は、デスクワークを溜めてしまう人だったので、むしろ部下にマネジメントされてました。
そういった意味では、良くも悪くもアパレルは売上さえよければ出世できてしまう職種ともいえます。
要注意!アパレルのレジ業務はADHDの鬼門
あらかじめ知っておいた方がいいこと。
それは、ADHDがアパレルで一番ミスしやすいのはレジ業務ということです。
- 洋服を綺麗に畳んで梱包する。
- レジにタグを読み込ませ、割引などあれば必要な操作をする。
- 合計金額を案内し、ポイントカードやクレジットカード、商品券などを受け取る。
- 会計を済ませ、レシートやお釣り、カードをお返しする。
これらを、お客様を目の前にしながら連続して行うわけですが、ワーキングメモリが少なく、不注意の特性もあるADHDとしては、けっこう神経を使います。
やりがちなミスとしては下記の通りです。
- レジの打ち間違い
- お釣りの渡し間違い
- クレカの金額の入力間違い
- クレカやポイントカードを返し忘れる
レジ業務をしている最中にお客様が話しかけてくることもありますが、マルチタスクが大の苦手な私は「お願い!今は話しかけないでー!泣」と心の中で叫んでました笑。
だいたいのお客様は現金かクレカでのお支払いですが、Suica払いや、あまり見かけない商品券を出されてしかもクレカとの併用払いだったりすると、めちゃくちゃテンパります。
レジ業務は何年働こうが精神的に苦手なままでしたが、対策によってミスは健常者と同じくらいの頻度でした。
▼レジ業務の対策についてはこちら
【実体験】ADHDが苦手だったレジ業務でミスを減らした5つの方法
アパレルにおけるADHDの店選びのポイント
以上を踏まえてADHDの場合は、レジ業務が少ない店、すなわち客単価が高めで客数が少ない店を選んだ方が安心です。
価格帯の安いブランドは客数が多いですが、高めのブランドは客数が少ないので、レジをする回数も少なくミスをする確率を下げられます。
また、次から次へと接客するより、一人のお客様をじっくりと接客するスタイルの方がテンパることも少なく、自身のキャラクターも活かせるため、ADHDには向いています。
一人のお客様を1時間付きっきりで接客することもよくあるので、自然と顧客様ができます。
仕事で自分の色を出したい方にはおススメです。
さらに、商品価格の高い店の方が客質がいい傾向にあります。
私は、主力商品が約15,000円のブランドで働いていて、ハイブランドではなかったですが、それでも非常識なお客様を接客する機会は少なかったです。
アパレルのいいところは、事前に働きたい店をお客様として見に行き、接客まで受けられるところです。
働きたいブランドの求人を見つけたら、店の入客数や客層を偵察しに行きましょう。
そして、実際に接客を受けてみてくださいね。
店選びさえ間違わなければADHDでもアパレルで働けます!
今回は、アパレルの仕事がどんなものなのかと、ADHDの特性との相性を中心に書きました。
高単価で接客のスパンが長いお店を選べば、ADHDでも適応しやすいです。
「デスクワークは避けたい!」という方やファッション好きの方は、選択肢に入れてみてください。